勘定系(コアバンキング)リファレンスアーキテクチャ
ECS × Aurora Global Database による Warm Standby マルチリージョン勘定系
可用性 (SLA目標)
ミッションクリティカル(リージョン障害に耐える Warm Standby)
RTO(目標復旧時間)
約5分以内(ARC + Step Functions による自動切替)
RPO(目標復旧時点)
数秒(Aurora Global Database / 通常1秒以内のレプリケーション)
概算コスト
規模依存(基幹システムとして数百万円〜/月)
構成概要
- 可用性レベル
- マルチリージョン
- コンピューティング
- ECS/Fargate
- 想定システム規模
- 超大規模(銀行の基幹・勘定系システム)
- コスト感
- ¥¥¥高コスト
使用AWSサービス
- Amazon ECS
- Amazon Aurora Global Database
- Amazon DynamoDB (Global Tables)
- AWS Transit Gateway
- AWS Direct Connect
- Elastic Load Balancing
- Amazon Route 53 Application Recovery Controller
- AWS Step Functions
- Amazon CloudWatch (Synthetics / Application Signals)
- AWS Backup
- Amazon EventBridge
概要
AWSが公開する金融機関向けベースライン環境(baseline-environment-on-aws-for-financial-services-institute)の勘定系リファレンスアーキテクチャをベースにした構成です。預金・為替・融資といった勘定系業務を、東京リージョン(Primary)と大阪リージョン(Secondary / Warm Standby)のマルチリージョンで構成。全銀・統合ATM・ANSER・CAFIS等の外接システムや営業店・銀行端末を Direct Connect / Transit Gateway 経由で接続し、Amazon ECS 上のマイクロサービス(残高照会・取引・取引カウント管理)が処理を担います。データは Aurora Global Database(リージョン間を通常1秒以内で複製)と DynamoDB グローバルテーブルで保持し、リージョン障害時は Application Recovery Controller と Step Functions により約5分以内に大阪へ自動フェイルオーバーします。
★ 設計のポイント
- ▸東京=Primary / 大阪=Secondary の Warm Standby 構成。オレゴンを監視に利用
- ▸Aurora Global Database でリージョン間を通常1秒以内に複製、目標RTO約5分
- ▸DynamoDB グローバルテーブルで状態管理を多リージョン同期(切替不要)
- ▸ECS マイクロサービス + CloudWatch サイドカーでコード変更なしの分散トレーシング
- ▸運用系 / CI/CD / 情報系 をマルチアカウントで分離した統制設計
システム構成図
周辺・運用機能(クロスカッティング / 全体に適用)
監視・運用
セキュリティ・統制
CI/CD・統制
DR・自動化
🛡 セキュリティ・コンプライアンスのポイント
✓ メリット
- •リージョン障害でも約5分以内に大阪へ自動フェイルオーバー(Warm Standby)
- •Aurora Global Database / DynamoDB グローバルテーブルで広域のデータ整合性を確保
- •ECSマイクロサービス化で、勘定系を段階的にモダナイズできる
- •AWS Backup の不変バックアップでランサムウェア対策に対応
- •運用・CI/CD・情報系のマルチアカウント分離で統制とセキュリティを両立
✗ デメリット
- •金融基幹システムとして最高難度。設計・移行・テストの負荷が非常に大きい
- •Warm Standby 分のリソースと専用線が常時必要でコストが大きい
- •勘定系特有の整合性・冪等性・締め処理などの作り込みが必須
- •規制対応・監査・DR訓練など継続的な運用ガバナンスが求められる
→ 主なユースケース
- •銀行の勘定系(預金・為替・融資)のクラウド移行・モダナイゼーション
- •ミッションクリティカルな金融基幹システムのDR/BCP
- •マイクロサービス化を前提とした次世代バンキング基盤